夜半に昇った月を撮るとなれば、嫌でも日付が変わってしまう。
天文分野では午前1時を前日の25時と表記することがある。その通例に従うならば30時10分、つまりは今朝の午前6時10分に撮影。
35mmフィルムカメラの焦点距離に換算すると3415mm相当ということになるので、微動装置のない雲台でフレーミングするのはなかなか難しいものだ。
大気の状態が安定していたので、画像の中心部ケプラー周辺を等倍で切り出してみた。
この辺りは「嵐の大洋」と言われるいわゆる月の海で、実際にはマグマが凝固した玄武岩の大地。
最も目立つコペルニクスクレーターで直径93km、深さは3.8km。クレーター底部から外輪頂上までは富士山ほどの高低差ということになる。
規模の割に目を引くケプラーは比較的新しいクレーター。放射状の光条(クレーター生成時の噴出物)も古いクレーターの光条を覆って伸び、最大で300kmに達している。
撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイピース) / CASIO EX-Z850