鷭(バン)アルビノ

【ツル目クイナ科】
 カモ観察に訪れる公園池でバンアルビノ(白化個体)に遭遇。カモが去った五月以後は無沙汰を決め込んでいたのだが、この夏白いバンのヒナが誕生したことでちょっとしたフィーバーだったそうだ。灯台もと暗し、今頃その事実を知るなんぞ我ながら間抜けな話である。

 アルビノは先天的なメラニン色素の欠乏によって引きおこされる症状。体毛や皮膚が白く色抜けし、目が赤く透過して見えることが外的な特徴となる。この個体の場合はわずかに茶褐色が浮いているのだが、色の浮いた部分はオリジナルのバンだと濃い茶褐色。頭部など本来は黒い部分ほど白いので、黒の色素が欠落しているのかもしれない。また脚の付け根やクチバシから額板にかけての本来赤い部分も色が抜けてしまっている。完全な純白ではないので多少の色素はあるのだろうが、野生のアルビノに遭遇できるとは得難い経験となった。

 アルビノ特有のルビーのような瞳孔ははほとんどの場合弱視などの視覚障害をともなうそうだ。白っぽい体色も捕食者にとって見つけ易く、野生の世界でアルビノが生き残ることは極めて困難と聞く。この個体が生き抜けるかどうか、カモ見の折々探してみようと思う。

↑こちらは正常なバンの画像(2011/04月撮影)。いかに違うか一目瞭然だ。

撮影データ :Canon EOS 20D + EF400mmF5.6L USM / 2012年10月
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