ナガサキアゲハ♂

 名前からして南国情緒だが、江戸末期に長崎に滞在していたシーボルトが発見したことに由来している。その名の通り南方系のアゲハで、手元にある2002年版の図鑑では近畿以西に分布となっているが、数年前から南関東でも見かけるようになってきた。だからといって温暖化の影響と断ずるのは早計かも。幼虫の食草がミカン科の栽培品種なので、園芸種としての食草拡散とともに分布を広げている可能性も無視できない。

 ナガサキアゲハのメスはド派手なことで有名なのだが、残念ながら未だ出逢えずにいる。一方オスはご覧の通りシックな装い。この辺りは鳥類と逆だなぁ。雌雄に共通する特徴はアゲハの仲間としては例外的に尾状突起(しっぽ)が無いことだろう。

撮影データ :Canon EOS 20D + EF400mmF5.6L / 2012年07月 横浜市青葉区