画眉鳥(ガビチョウ)

【スズメ目ヒタキ科】特定外来生物
 里山は風薫る初夏。ウグイスやメジロのさえずりを背景に、ホトトギスが夏を告げる頃 ・・・・ のはずなのだが。
聞こえてくるのはほとんどがガビチョウかヒヨドリの喧噪。他の野鳥たちの声は彼らの発する大音量の中でぼやけて霞んでしまう。
 そのガビチョウは特定外来生物に指定されている紛う事なきインベーダー。本来なら台湾や中国本土、インドシナあたりに生息し、日本の山野にはいてはならない鳥類。故郷を離れた華僑が好んで飼うようで、常夏の楽園ハワイでは中華街を襲った大火によって逃げたガビチョウが野生化しているそうだ。日本でガビチョウが籠ヌケとなった理由は知らないが、あまりの分布拡大ぶりには作為的な原因を疑ってしまう。ウグイスやアオジヤブサメなど、生息域の被る野鳥達や捕食される昆虫類への影響も懸念されている。本当に悪いのは人間であってガビチョウではないんだけどね。

 ガビチョウのさえずりは大音量且つ複雑で、ウグイスやコジュケイ、果てはホトトギスを真似ることも珍しくない。彼らの鳴き声は中国の人々にとっては心地よいのだろうか。日本人の好む音の質とは大きく異なるようだ。好まれる飼い鳥からも民族性のようなモノが垣間見えるなぁ。
撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-14WE(32xアイピース) / CASIO EX-Z850 / 2012年05月 横浜市青葉区
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