連鎖を断ち切る

 立て続けに痛ましい交通事故が起きている。中でも歩行者や学童にクルマが飛び込む事故は連鎖的なものを感じさせる。

 「事故」と「連鎖」のキーワードで思い出されるのが1966年の5連続航空機事故。当時まだ小学生であったにもかかわらず、事故のニュース映像はよく覚えている。中でも2/4・3/4・3/5の事故はほとんど一ヶ月以内。3/5に起きたBOAC機事故に至っては滑走路脇に前日事故を起こしたカナダ太平洋航空機の残骸が散乱する中を離陸したあげくの空中分解だった。

1966年の5連続航空機事故

  1. 全日空羽田沖墜落事故(2/4) 原因不明(捜索ヘリの遭難も発生)
  2. カナダ太平洋航空機着陸失敗事故(3/4) 濃霧の中、高度の下げすぎ
  3. 英国海外航空機(BOAC)空中分解事故(3/5) 富士山上空の山岳波による空中分解
  4. 日本航空羽田空港墜落事故(8/26) 操縦ミス
  5. 全日空松山沖墜落事故(11/13) エンジン故障or乱気流(捜索ヘリ同士の空中衝突事故も発生)

 このところ続いている交通事故は全くの人災。1966年の連続航空機事故は必ずしも全てがヒューマンエラーではないという違いがある。けれど一連の事故が連鎖反応であるなら何らかの心理的な要因または共通項はないのだろうか。と、思案していたところ、id:BARinさんのブログコメント欄ででid:iireiさんが指摘されている「共時性シンクロニシティ」と言う言葉に目が留まった。

 カール・ユングの提唱するこの概念を要約する筆力が私にはない。読み手においては書籍を紐解くかウィキペディアのシンクロニシティを参照していただくとして、その先へと考えを巡らせていただきたい。果たしてシンクロニシティが作用しているのなら、如何にして連鎖を断ち切ることが出来るのか をだ。

 1966年に頻発した航空機事故はやがてボイスレコーダーやフライトレコーダーの実装や滑走路長の見直し延長などに繋がっていった。そうした諸策に即効力はなかったにせよ、航空機事故が確実に減少していったことは紛れもない事実。

 これ以上痛ましい事故が頻発せぬよう実効力のある対策が急務だ。未だ夢の彼方かもしれないが、アイザック・アシモフが提唱したロボット三原則のようなベースコマンドを実装したクルマだらけになれば良いのにな。

ロボット工学三原則

  • 第1条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また何も手を下さずに人間が危害を受けるのを黙視していてはならない。
  • 第2条 ロボットは人間の命令に従わなくてはならない。ただし第一条に反する命令はこの限りではない。
  • 第3条 ロボットは自らの存在を護らなくてはならない。ただしそれは第一条,第二条に違反しない場合に限る。