月に纏わる楽曲

 数多ある月に纏わる楽曲の中で、望遠鏡で月を覗いている最中に脳内に染み出してくるのがドビッシーの「月の光」。月から光がこぼれ落ちるような冒頭が印象的で、なんとも幻想的な楽曲。一方ベートーベンのピアノソナタ「月光」は、微妙な変化の中で繰り返されていく旋律が、月の周期や秤動を表現しているようで心地がよい。拙作動画「月の名前」では月の周期をこの旋律に充ててみた。http://www.ts-pw.com/nightsky_moonphase.html

 スタンダードジャズはもう月のオンパレード。個人的にはベニー・グッドマンクラリネットが奏でる「ムーン・グロウ」とグレン・ミラーの「ムーンライト・セレナーデ」が双璧だが、思わず口ずさんでしまうのが「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」。エヴァンゲリオンのファンにも馴染み深い曲だが、印象的だったのはANAのCM。夢見るヒコーキがNYのジャズクラブに舞い降りて行くシーンが素敵だった。http://www.youtube.com/watch?v=bdNY9IUvGDk ついでながら夢見るヒコーキシリーズの2作*1はCM史上に残る名作だと思っている。

 記憶を遡るとサンタナの「ムーン・フラワー」も印象深い。現実にはあり得ない月面の峡谷でひっそり咲くガラス細工のような花をイメージしていたのだが、原題(Flor d'Luna)の意味するところはヨルガオ(ヒルガオ科)のことであるらしい。そういえばサンタナを聞くと八神純子の「思い出は美しすぎて」を思い出す。イントロがサンタナ風だし曲調がボサノバだったからだろうが、改めて聞いてみると完成度の高い曲だなぁ。おっと脱線々々・・・・

 Jポップに目を転じるとユーミンの「14番目の月」を嚆矢に鬼束ちひろの「月光」が浮かんでくる*2。最近だと絢香の「三日月」やスネオヘアーの「共犯者」が耳に残っているけれど、意外に月そのものを題材にした楽曲は思いつかない。斉藤和義には月と語り合うような歌詞があったと思うのだが、なんだが記憶が詰まってしまった。

 とまぁ、思いつくままに有名処を列記してみた。夜を渡る月を眺めて調和する楽曲、お薦めがあったらよろしくお願いします。

*1:もう一つは井上陽水の「新しいラプソディー」にのせて恋人の待つ部屋へとアプローチ。2作とも舞い降りていく機体は話題のB787

*2:最近の彼女はいったいどうなってしまったんだろう シャーマン属性なんだろうなぁ