大つごもりを昇る月

 「大つごもり」とは大晦日の古い呼称。そもそも「つごもり(晦)」とは月が隠れる「月ごもり」が転じた言葉だそうで、つまるところ新月(朔)のことに他ならない。月の運行に則した陰暦ゆえの月末表現だ。
 さて今夜、グレゴリオ暦12月31日の夜空は満月に照らされている。大つごもり本来の意とは正反対だが、これもまた一年の区切りとしては悪くない。

 2009年の撮り納めは足早の雲をかき分け東の空を駆け上がっていく月。月の出直後は雲に阻まれ、撮影できたのは50分ほど経過した16:45。スコープや三脚が風切音を発するほどの強風で月の輪郭も大気状態を反映してガタガタ。このまま天気が保てばの話だが、明けて未明の部分月食が新年の撮影事始めとなるはず。願わくば風も治まって切れのある部分食を撮りたいもの。早くも年明け早々の神頼みとなりそうだ。

  • CanonEOS20D・EF400mmF5.6L+Teleplus300(1.4x)・ISO800・250sec・F8・WB(3200k)