G.カッチーニのアヴェ・マリア

 どうやら仏教徒であるらしい自分にとって、教会は縁の薄いところ。けれどキリスト教のの影響下で生まれ出でた楽曲にはその旋律だけで胸を打つ曲が多数ある。とりわけ聖母マリアへの祈祷曲「アヴェ・マリア」は非クラシック系のシンガーに取り上げられることも多く耳に馴染んだ曲が多い。その数ある「アヴェ・マリア」の中で、J.S.バッハ/グノー*1シューベルト*2、そしてG.カッチーニによる3曲を3大アヴェ・マリアと称すそうだ。


 このところG.カッチーニアヴェ・マリアを聞いている。夜明け前、徹夜明けにこの曲を聴いていると、仕事で高ぶった心が沈静化していく。400年も前の楽曲に癒されながら漆黒から碧へと変わる空に溶けていく月を眺めるのは格別だ。変則的な日常だけど、ささやかな幸せはあるものだ。

*1:平均律クラヴィーア曲集 第1番ハ長調BWV846、その前奏曲にグノーがメロディを加えたもの

*2:エレンの歌 第3番 D.839 Op.52-6