コンポジット処理の比較

 天体撮影での「コンポジット」とは、連続して撮影した複数枚をデジタル合成することで画質を改善する処理プロセスのこと。解像力の劣る小口径望遠鏡を用いた天体写真ではもはや必須の処理プロセスと言えるだろう。
 さて、その実践手段としてはPhotoshopなどのレタッチソフトで手動の重ね合成を行う方法と、RegiStaxなどの天体撮影に特化した画質改善ソフトを用いる方法がある。そこで一昨日撮影した木星の画像を用い、両者の比較を行ってみた。尚、RegiStaxではデフォルト設定のまま32枚の合成とし、Photoshopでの手動レイヤードに際しては、32>16>8>4>2>1とトーナメント方式で2枚を透過率50%で重ね合わせる手法を用いた。また左のオリジナル画像はコンポジットに用いた32枚中の比較的良好な画像をピックアップしている。

 合成以外はいずれもレタッチを施していないが、この処理だけでノイズは気にならないレベルとなった。*1Registaxの画像はオリジナルよりコントラストが高めで、それ故にメリハリが効いている結果となっているが、縞模様の細部を比較するとメリハリ感をさっ引いてもRegiStaxに僅かのアドバンテージがあるようだ。それ以上に作業時間が大幅に短縮できるので、今後はRegiStaxをメイン使用することになりそうだ。


さらに、RegiStaxでのコンポジット効果を合成枚数で比較。

今さらながら枚数が増えるにつれて高画質が得られることが確認できた。このオリジナルの場合、少なくとも16枚以上での合成が望ましいようだ。

*1:Photo shopでの手動合成だと8枚合成からノイズが激減した