デジスコのツボ

 このところ「デジスコを導入したけどさっぱり撮れない」というボヤキを聞きます。思うにデジスコの要諦は「素早い導入」と「徹底的なブレ対策」。もちろんピントや露出も重要ですが、それも前述の2点がクリアできての話。うまく撮れないという場合の多くは、この何れかまたは両方に問題があるようです。


 まず「導入」。何しろ被写体は翼のある生き物、素早くデジカメのLCD上に野鳥を捉える必要があります。この為にはドットサイト(ファインダー)とスコープの光軸が一致している必要があり、撮影前に数十メートル先の対象で調整をしておく必要があります。さらには両眼視(効き目でLCD、もう片方の目でダットサイトを同時に視る)可能なポジションにダットサイトをセッティングできればベスト。両眼視は慣れを要すけど、素早い導入には欠かせないテクニックですから。


 そして撮影段階。ここで重要なのが剛性の高い脚まわり。デジスコが如何に軽かろうが35mmカメラレンズに換算すれば1000〜5000mmに相当する超々望遠。生半可な三脚ではブレを抑えきれません。震動収束に秀でた太めのカーボン三脚と、パーンがスムーズなビデオ雲台やジンバル雲台との組み合わせは必須といえます。また前後の重心が崩れているとブレが増幅してしまうので、スライドプレートなどを使って撮影機材を取り付けた際の重心を出せる工夫も必要です。

 「素早い導入」と「徹底的なブレ対策」を突き詰めていくと市販のデジスコパーツだけでは自ずと限界があります。ドットサイトの固定ブラケットを汎用の金属プレートなどで自作してみるとか、重心の偏心対策でヒップサポートを工夫してみるなどDIYの要素も無視できません。「急がば回れ」の精神でセッティングのDIYから楽しむこともデジスコでの野鳥撮影成功に繋がる重要な要素なのでしょう。