ALWAYS三丁目の夕日

家族で行こうと思ったら感涙必至の前評判に恐れをなしたカミさんはパス。
娘と二人で見てきました。(以下、ネタバレの可能性アリ)
ストーリーがどうのとかテーマがなんだという以前の段階で、昭和三十年代前半に生まれた私には何もかもが懐かしすぎます。町並みや屋内の設定、いわゆる時代考証の範疇だけでなく、個々の役者達が醸し出す情とか価値観さえも「あーだったなぁ」と、ガキの時分に見たり感じたりした気分をトレースしちゃいました。
NGを出したくなるような役者が一人もいなかったのは最近見た日本映画としては希有なこと。特に子役(吉行淳之介役=須賀健太)の存在感には空恐ろしささえ感じます。

とまぁその時代を知っているオヤジはさておき、平成生まれの娘(小6)にとっても十分に見応えがあった様子。白黒テレビや電気冷蔵庫が初めて家にやってくるくだりなど、その全てが当たり前な娘にとっては新鮮な驚きだったようです。あとで「集団就職」とか「もう戦後じゃない」の意味を聞かれちゃいました。

余計なお世話をひとつ。
劇中で活躍するオート三輪のミゼット、自走できる車両を見つけただけでも大したものなんでしょうけど、如何せん古すぎます。その時代は現役バリバリだったんですからちょっと不自然に感じました。

  • 追記:現役バリバリも何も昭和32年発売だそうです。映画の舞台である昭和33年当時なら「新車」だったんですね。


ps.拝啓、鈴木オートの社長様。
いくらなんでも青森から集団就職してくる女の子の特技が「自動車修理」のわけないでしょう。しかも、昭和33年だぜ!?