活かされてこその教訓

あの航空機事故はこうして起きた (新潮選書)

あの航空機事故はこうして起きた (新潮選書)

日航機の御巣鷹山墜落事故を含む民間航空機史上に残る八つの事故を、元ラインパイロットの視点で分析したノンフィクション。
日航事故のような大多数の方が死亡した事故から、機知に富んだ処置で絶体絶命を切り抜けたケースまで、読み応え十分でした。
事故後の調査は、事故の責任者を暴くためではなく、事故に至るヒューマンエラーを誘発した原因を究明し再発を防ぐことを主目的に行われるべき」という筆者の主張が全編を通して貫かれており、 犯人探しに終始したあげく教訓を残せない日本の事故調査の実態やマスメディアの不見識を暴いた点は痛快ですらあります。


空の旅に恐怖感を拭えない人にこそ読んで欲しい一冊でした。