南方系のヒョウモンチョウで、ちょっと古い図鑑には「西日本に分布」となっていますが、だいぶ北進(東進)して来たようで我が地元の神奈川・多摩エリアでもしばしば見かけるようになってきました。
ヒョウモンチョウとしては典型的な翅表のオスと異なり、メスの翅表はカバマダラに酷似しています。そのカバマダラは奄美以南の南西諸島に分布する毒のある蝶で、鳥が敬遠すると言われています。ツマグロヒョウモンはメスが毒蝶に擬態することで生存率を高めているのかも知れません。
↑こちらは多摩動物公園の昆虫館で撮影したカバマダラ。
なるほど似ています。
- 追記
カバマダラの生息域にはツマグロヒョウモンも分布しているので、そのエリア内では擬態が成り立つと思われます。
ですがカバマダラの棲息しない本州*1での効果の程は疑問です。
ツマグロヒョウモンの北進(東進)はカバマダラより先行し過ぎているのかもしれません。
*1:徐々に北限を押し上げ四国や九州で少数の自生が確認されている