スターウォーズとアメリカ(劇場観賞)

スターウォーズの新作「シスの復讐」を見てきました。

前評判通り、迫力に満ちたグラフィックスだし、アナキンがダークサイドに落ちていく心の葛藤も丹念に描かれており、シリーズ最終作に相応しい見応えのある作品です。


と、評価しつつも、やっぱりアメリカの映画だなぁと考え込む一面も。
アナキンがダースベーダーと化す過程を監督のルーカスは「勧善懲悪ではない」とコメントしていたはず。確かにアナキン自身は自分を「悪」としては捉えていない事をきちんと描ききっているように思えました。ここまでは納得出来ます。
ただし、「デモクラシー(民主主義)」という単語が「善」の象徴としてストーリーの中に散りばめられています。民主主義は絶対無二な「善」で帝政は「悪」といういかにもアメリカ的な世界観なんですね。


ここで私の気分は中東に跳んでしまいます。アメリカはアフガンやイラクで強引に「民主化」をすすめ、「議会制民主主義」を軌道に乗せようとしています。どうも彼らは民主主義がいかなる条件でも絶対に正しい政体だと信じているようです。例えば「アラブの風土に根ざした価値観」において、権威としての首長を戴く立憲君主制の方が機能しうるかもしれないといった発想はおそらく絶無なんでしょう。*1


遠い遙かな過去の銀河系でも、やっぱりパックス・アメリカーナだったのね、というのがオチと言えなくもないのかな(笑)

*1:例えば明治政府のような