シジュウカラやホオジロが忙しげに行き交っていた林に突然静寂が。一瞬の陽翳りに頭上を見上げれば、思いの外低空を滑空する一羽の猛禽、ノスリの登場でした。ゆったりとした帆翔に停空飛翔(ホバリング)を織りまぜながら獲物となる小鳥、ネズミ、ヘビやカエルなどを捜し、見つけると急降下で文字通りの鷲掴みです。
一見トビのようですが大きく異なるのは尾の形状。トビでは台形またたはやや切り込みのあるバチ型尾ですが、ノスリはご覧の通りの丸尾です。またトビより一回り小ぶりだし群れることもないので識別はさほど難しくありません。
初見の印象が意外なほどの低空飛行だったので、「野を擦る」が転じた和名だろうと勝手に解釈していました。*1ところが漢字和名は狂うに鳥で「鵟」。*2いかにも怖ろしげな字づらですが、タカの仲間としては拍子抜けするほど優しげな目をしています。といっても小鳥たちのとって脅威であることには変わりないですけどね。
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