南洋翡翠(ナンヨウショウビン)

ここ何年か、春先に仕事場の親睦旅行でサイパンを訪れています。鳥見に目覚めた昨年からは海には背を向けひたすら樹上を見上げるようになりました。普段の野鳥におりまぜ、ときおりサイパンの野鳥も掲載していきたいと考えています。


このナンヨウショウビンはミクロネシアから東南アジア一帯、さらにはインド沿岸部を経てオセアニアに至るまでの非常に広い範囲に生息するカワセミの仲間です。迷鳥としては与那国や石垣などで記録されていますが、なにぶん広大な生息範囲ですから亜種も相当数存在するようです。日本で記録された個体の写真と見比べると頭部の色や過眼線などかなり差違がありました。

魚や甲殻類を餌とする日本のカワセミやヤマセミと異なり、陸生の小型トカゲや昆虫を食料としており大きさもカワセミよりはふたまわり大きい印象でした。特に天敵*1がいる様子もなく、島での食物連鎖では頂点を占めているのではないでしょうか。
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*1:米軍の軍事物資に紛れて進入した樹上性のブラウンツリースネイクによりグアムの在来種は大打撃を被った。サイパンでも目撃例があり懸念されている