オシドリ越冬池壊滅

 先月後半のことだが、オシドリが越冬する雨水調整池の外縁で行政の手による草刈りが行われた。まずフェンス外側に手を入れた段階で三割ほどに減じたオシドリは、フェンス内側の作業が行われた段階で姿を消してしまった。定着しつつあった数年前に地元の方が草刈りの時期を考慮するよう行政に申し入れていたそうだが、今季は渡来後の作業となり残念な結果となってしまった。行政サイドから見れば雨水調整池のオシドリなど取るに足らないことなのだろうか。

ジョウビタキ(尉鶲)♂

【スズメ目ツグミ科】

 オシドリ捜索中に好奇心旺盛なジョウビタキが現れた。昇ったばかりの太陽が順光となるように三脚を抱えて移動する間も興味ありげにこちらを伺い続けている。おかげで理想的な光線状態で撮影することができた。

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捨てる神あれば拾う神あり。

 

- 撮影データ:Canon PowerShot G9 X Mark II / Kowa TSN-824M + TSE-14WE(32x)

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あけましておめでとうございます。

 

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 皆様にとって良き一年でありますように。

滞りがちな更新ですが、よろしくお願いいたします。

 

初日の出

 2007年から続けている元朝の定点撮影だが、14回目にして昇る太陽の輪郭を見ぬままとなってしまった。その後の快晴がなんとも皮肉ではあったが、むしろここまで続いたことが奇跡だったのだろう。

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 日の出時刻から20分後、ようやくそれらしいオレンジ色が雲を照らした。とは言え輪郭は部分たりとも見えないまま。

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 残念ついでの過去記録。さて来春はなどと、鬼すら笑うまい。

スコープで捉えた姿にウットリ

オシドリ(鴛鴦)♂

【カモ目カモ科】

 自宅近所の調整池に今冬もオシドリが来たのは既報の通り。4日前の夜明け前に目視したところ水面に30羽ほどを確認した。期待を胸に早朝から繰り出したのだが、あに図らんやオシドリの気配がない。デジスコからカメラを外し、本来の用途フィールドスコープとしてブッシュの中をくまなく捜索し、ようやく見つけ出したのがオス8羽にメス2羽。なんで減ったのかなぁ。

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 ブッシュの中からなんとか全身を捉えた唯一のカット。後は全て体の一部しか見えていない。越冬池に慣れるまで、もうしばらくかかるのだろうか。

 

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刹那の優美

アメリカヒドリ(アメリカ緋鳥)♂

【カモ目カモ科】

 近種のヒドリガモに混じっていることが多いのだが、本来は北米方面に渡るカモ。ベーリング海峡を挟んで、ヒドリガモはユーラシア、アメリカヒドリは北米方面と繁殖地から避寒地に至る生息域を分けている。だが極近縁であるためか両者の交雑が多く、アメリカヒドリの面影を見いだせるヒドリガモは珍しくない。ピュアなアメリカヒドリは数こそ少ないが例年全国各地に現れる。迷行と呼ぶべきかどうか微妙なところだろう。

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 特に派手な鳥ではないけれど、やはりカモの所作は美しい。

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エナガは紅葉に映えるか

エナガ(柄長)

【スズメ目エナガ科】

 師走の声に紅葉林も見通しが良くなってきた。冬枯れの様相も間もなくだろう。そんな紅葉が散りかけた林を「カラの混群」が通過していく。筆頭はシジュウカラだがまず間違いなくエナガが加わっている。

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 紅葉を背景に似合わぬ小鳥などいるとも思えないが、エナガは殊のほか様になる。忙しげなエナガの一瞬が切り取りたくて接近を試みるのだが、早くも積もった落ち葉を踏む音に気付かれてしまうのもお約束だ。

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オシドリ来るも藪の中

 我が家近傍の調整池。オシドリの越冬はここ数年で定着した感があるけれど、今年もなんとか初認することができた。昨日の段階ではオス3羽にメス一羽。ブッシュの中なので見落としもあるだろうが、第一陣は毎年この程度。昨シーズンも最終的には50羽を数えたので、これからの数ヶ月が楽しみだ。

 とはいえ初冬のうちは警戒心がかなり高いのも例年通り。ブッシュの隙間から体の一部が見えるに過ぎない。写真はもう少しオシドリたちが環境に馴染んでからになりそうだ。


アオサギ(蒼鷺)

ペリカン目サギ科】

 アオサギなどサギ科の分類上科は数年前まではコウノトリ目だったけど、Wikipediaなど最新の記載ではペリカン目となっている。鳥類の分類は刻々と変わるので、拙ブログでは今日を境にサギ科はペリカン目とする。そして漢字表記の青鷺から蒼鷺となっていた。どこまで正式なのかは定かでないけれど、これも準じていくことにしよう。

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 アオサギが青いかと言えば首をひねってしまうし、英語表記はGrey heronと灰色認識。

 が、朝の刹那、淡い光の中に浮かんだ姿は字義通りの蒼いサギだった。

 

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- 撮影データ:Canon EOS 7D / Canon EF400mm F5.6L USM

水辺はカモの季節

ヒドリガモ(緋鳥鴨)

【カモ目カモ科】

 インスタグラムにアップしたコガモの写真についてロシアの方からコメントをいただいた。そんなにカラフルなカモを見たことがないのだそうだ。一拍おいて気が付いた。そうか、繁殖地のロシアではエクリプスなのかと。

 馴染みのカルガモは例外だが、カモのオスは越冬地で繁殖相手を探し始める秋頃からメスの気を惹くべく派手な繁殖羽に換羽する。そして相手が見つかればまた地味な非繁殖羽つまりエクリプスへと換羽する。繁殖地たるロシアでは厭が上でもエクリプスを見かけることとなるわけだ。

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 ヒドリガモのオスもコガモほどではないにしろメスの気を惹くべく換羽する。そしてこの時季は換羽の最盛期。痒くはないのだろうか。

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 カモのメスは地味な羽衣が一般的だが、ヒドリガモのメスは意外にお洒落。なかなかの美人ぶりと思うのは贔屓が過ぎるか。

-撮影データ:Canon EOS 7D / Canon EF400mm F5.6L USM

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