オシドリ来るも藪の中

 我が家近傍の調整池。オシドリの越冬はここ数年で定着した感があるけれど、今年もなんとか初認することができた。昨日の段階ではオス3羽にメス一羽。ブッシュの中なので見落としもあるだろうが、第一陣は毎年この程度。昨シーズンも最終的には50羽を数えたので、これからの数ヶ月が楽しみだ。

 とはいえ初冬のうちは警戒心がかなり高いのも例年通り。ブッシュの隙間から体の一部が見えるに過ぎない。写真はもう少しオシドリたちが環境に馴染んでからになりそうだ。


アオサギ(蒼鷺)

ペリカン目サギ科】

 アオサギなどサギ科の分類上科は数年前まではコウノトリ目だったけど、Wikipediaなど最新の記載ではペリカン目となっている。鳥類の分類は刻々と変わるので、拙ブログでは今日を境にサギ科はペリカン目とする。そして漢字表記の青鷺から蒼鷺となっていた。どこまで正式なのかは定かでないけれど、これも準じていくことにしよう。

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 アオサギが青いかと言えば首をひねってしまうし、英語表記はGrey heronと灰色認識。

 が、朝の刹那、淡い光の中に浮かんだ姿は字義通りの蒼いサギだった。

 

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- 撮影データ:Canon EOS 7D / Canon EF400mm F5.6L USM

水辺はカモの季節

ヒドリガモ(緋鳥鴨)

【カモ目カモ科】

 インスタグラムにアップしたコガモの写真についてロシアの方からコメントをいただいた。そんなにカラフルなカモを見たことがないのだそうだ。一拍おいて気が付いた。そうか、繁殖地のロシアではエクリプスなのかと。

 馴染みのカルガモは例外だが、カモのオスは越冬地で繁殖相手を探し始める秋頃からメスの気を惹くべく派手な繁殖羽に換羽する。そして相手が見つかればまた地味な非繁殖羽つまりエクリプスへと換羽する。繁殖地たるロシアでは厭が上でもエクリプスを見かけることとなるわけだ。

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 ヒドリガモのオスもコガモほどではないにしろメスの気を惹くべく換羽する。そしてこの時季は換羽の最盛期。痒くはないのだろうか。

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 カモのメスは地味な羽衣が一般的だが、ヒドリガモのメスは意外にお洒落。なかなかの美人ぶりと思うのは贔屓が過ぎるか。

-撮影データ:Canon EOS 7D / Canon EF400mm F5.6L USM

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少しずつ秋色に

シジュウカラ四十雀)♂

【スズメ目シジュウカラ科】

 立て続けの台風も影響しているのだろうが、色づく前の落葉が多いようだ。バードウォッチャーにとっては野鳥を見つけ易くなったことは有り難いのだが、近づく紅葉シーズンはどうなのだろう。

 身近な野鳥も秋めいた景色に活発だ。その代表格シジュウカラは通年同じ羽衣だが、刻々と変化する背景に不思議とマッチする。モノトーン基調のなせる技だろうか。

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 この個体はネクタイに喩えられる胸から腹の黒色分が太いことからオスと識別できる。そしてもう一点、頭頂部が扁平なのもオスの特徴。腹部が確認できない時の識別ポイントとなる。拙ブログのシジュウカラ過去記事とあれこれ比較していただくのも一興。ご随意に。

- 撮影データ:Canon EOS 20D / Canon EF400mm F5.6L USM

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小鳥の所作に癒やされる

ハクセキレイ(白鶺鴒)

 珍しく連投となるが、ひときわ愛らしいハクセキレイの水浴びが撮れたので・・・・

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↑「さぁ浴びるぞ」とでも言いたげな飛び込みポーズ。水浴びシーンは珍しくないが、こんなポーズは記憶にない。

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まずはゆったりと入浴。心なしか表情に恍惚感が。

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そしてバシャバシャタイム。5分ほどは続いていたのでよほど痒かったのだろうか。

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 最後はゆっくりと乾燥タイム。風にそよぐ羽衣が美しい。時間をかけていろいろな仕草を見せてくれた。ハクセキレイは見慣れた鳥だが一つ一つのシーンが新たな発見だった。

 明日は即位礼で休日だが台風20号の接近に伴いかなりの雨量が予想されている。野鳥たちにとっての川原の平穏もしばしのお預けだろう。無事で過ごしたいものだ、人も鳥も。

 

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- 撮影データ:Canon PowerShot G9 X Mark II / Kowa TSN-824M + TSE-14WE(32x)

台風その後

イソシギ(磯鴫)

 台風19号が去って六日目。東京神奈川の都県境を流れる多摩川ではその両岸にメガロポリスが忘れていた浸水被害が発生した。橋梁から見る河川敷の荒廃は川の暴れっぷりを今も尚留めている。

 地元の小河川もさぞかし荒れただろうと思い込んでいたのだが、訪ねてみれば水嵩こそ少々多めながらかつてないほど透明な水流に驚いた。巡回していた河川関係者が言うには、川底に堆積していた土砂が下流に押しやられたことが原因らしい。

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 浅瀬にいたのはイソシギ。渓流と遜色ない透明度に水底の足もくっきり見えている。

カワセミセキレイの類いなど、レギュラーの鳥たちも元気そうな様子。まずは安堵と思いたいのだが、またもや台風20号が接近中だとか。今年の関東は台風の波状攻撃に晒されているかのようだ。

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- 撮影データ:Canon PowerShot G9 X Mark II / Kowa TSN-824M + TSE-14WE(32x)

嵐の後の満月

台風19号(Hagibis)去る

 川沿いの開けた土地は幾たびの氾濫で形成されているし、大地の起伏は地殻の運動で生じている。我らの住まう大地は連綿とした天変地異の過程に存在している。そんな当たり前のことを台風や地震の度に思い知らされる。

 さて、台風一過の快晴は日没とともに終わりを告げ、月は雲の隙間を縫うように昇り始めた。明朝6時の月没頃がピークタイムなので半日フライングだが、今宵が満月といっても嘘にはならないだろう。

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 月の外周を遠慮がちな虹色が囲っている。月暈ならばもっと大きな外周になるはずなので、あくまでも薄雲による屈折現象なのだろう。理屈はともかく、なかなかに神々しい。

 そう、月の運動もまた潮汐に影響し、地上の変化にコミットしながら永遠にも似た時間を刻んでいく。

 

- 撮影データ:Canon EOS 6D Mark II / Canon EF400mm F5.6L USM

逃げるが勝ちの自然災害

後先考えず避難を!

 朝5時過ぎに豪雨の音で目が覚める。以来刻々風雨は激しさを増し続けている。

我家は高台のマンション。土砂災害に無縁とはいわないが、避難勧告の対象からは外れている。不安はライフラインだが、こればかりは手の出しようがない。

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 河川の周囲ではレベル5の警報も出ている。雪害の顛末を振り返るもなく大都市生活者は天象を軽んじがち。だが自然の猛威には地方も都会もない。後先考えずに逃げましょう。