Fly Me To The Moon

小望月夜

  木星リベンジでベランダに機材をセットしたものの、大気の揺らぎは6/11の「衝」以来最悪のコンディション。あきらめて月撮りに切り替えた。 満月前夜、ユーミン歌うところの「14番目の月」というアレである。

f:id:Tpong:20190616225729j:plain

 撤収作業に取りかかったところで月と交差しそうな航空灯を発見。大慌てでカメラを再セットし、かろうじて間に合った。もう少しだけ下を通過してくれたらとか、テレコン装着する間があればとかの思いは残るが、滅多にない偶然には感謝こそあれ文句は言えぬ。

f:id:Tpong:20190616225728j:plain

 上昇角や高度からして羽田を発った国内線なのは間違いない。シルエットから機種の特定を試みた。B-777ではなかろうかと思うのだが、さすがに確信には至らなかった。

-撮影データ:Canon EOS 7D / Canon EF400mm F5.6L USM

雨の夜は音の惑星旅行へ

木星(Jupiter)

  6月11日の「衝」以後最初の晴天夜6月13日に撮影した木星をコンポジット処理。

f:id:Tpong:20190615163252j:plain

 当夜は風が強く大気はユラユラ。百余枚撮ったなかでコンポジットの元となり得るカットは8枚しかなかった。

 納得するには到底及ばない結果に、今月中に穏やかな晴天夜があることを願うばかりだ。


土星(Saturn)

  木星が南中する頃、東南の低い空には土星が光を放っていた。

f:id:Tpong:20190615163253j:plain

 木星よりさらに高度が低く、大気の影響も酷いものだった。

 土星の「衝」は7月10日。当分は晴れてくれさえしたなら木星土星にスコープを向けよう。

- 撮影データ:Canon PowerShot G9 X Mark II / Kowa TSN-824M + TSE-9W(50x)

 

ホルスト 組曲「惑星」

 指揮者やオーケストラに拘るほど耳は肥えていないが、数あるクラシック楽曲の中でもとりわけ好んで聴いているのが組曲「惑星」。

   この楽曲を知ったのはオリジナルより冨田勲のシンセサーザーが先。音楽的な素養のない高校生のヒゲボウズにとっては衝撃的な出逢いだった。

www.youtube.com

 ポップス化された木星(Jupiter)ばかりが有名だが、オリジナルであれ、富田版であれ、組曲を通して聴くことで太陽系を旅する高揚感が味わえる。

梅雨晴の夜

十日夜(月齢10.064)

  月齢10なので十日夜(とおかんや)としたけれど、朔(新月)を一と数える旧暦では十一夜とするのが正しいのだろう。何しろ久々に晴れた夜、許されたし。

f:id:Tpong:20190613232826j:plain

 ティコやコペルニクスが程良い陰影で見えるので、満月より今宵前後の欠け具合の方が見どころが多く楽しめる。まぁ望遠鏡・双眼鏡が前提の話ではあるけれど。

 

木星

  6月11日に太陽→地球→木星とほぼ直列する「衝」となった木星、ようやく目にすることが出来た。今月いっぱいは見頃が続くそうだが、梅雨とあっては貴重な晴天夜だった。

f:id:Tpong:20190613232827j:plain

 速報というわけではないけれど、とりあえずは簡易的なレタッチでお茶を濁しておこう。梅雨最中、どのみちしばらくは晴天夜が望めそうもないので、後日ゆっくりコンポジット処理してみようと考えている。

tpong.hatenablog.com

  

- 撮影データ<上>:Canon PowerShot G9 X Mark II / Kowa TSN-824M + TSE-14WE(32x)

- 撮影データ<下>:Canon PowerShot G9 X Mark II / Kowa TSN-824M + TSE-9W(50x)

葉上に赤鬼見つけた

コクサグモ(幼体)*1

  葉上に張り巡らせたクモの巣は、雨滴ばかりを搦め捕る。
張り方の要領が悪いんじゃないかと思ったら、奥に潜んでいたのは赤い幼グモだった。

f:id:Tpong:20190612192255j:plain

 マクロレンズで切り取ったのは横幅6〜7cm、奥行3~4cmほどの世界。

絞り込み被写界深度を深くしたカットも撮ってみたが、いささか説明的になりすぎた。

小さな葉上の物語には浅いピントが醸す空気感こそが似つかわしい。

- 撮影データ:Canon EOS 6D Mark II / Canon EF100mm F2.8 MACRO USM

*1:コクサグモとしているが、幼体の資料が不十分でクサグモの可能性も捨てきれない

仕舞いかけの長袖に腕を通す

梅雨寒

  朝からしとしと小糠雨。少なくとも季節の始まりはいかにも梅雨らしい。

f:id:Tpong:20190609173405j:plain

 窓からは見えないが、生け垣の向こう側にひっそりとガクアジサイ
してみると、我が猫額庭の土壌はやや酸性に偏っているのだろうか。

f:id:Tpong:20190610054522j:plain

 蜘蛛の巣は小さな雨滴さえも絡め捕る。
マクロレンズに浮かぶ景色は水の惑星が織りなす小宇宙。

 ここ数年は雨にまつわる災害が多い。願わくは、穏やかな慈雨でありますように。

 

- 撮影データ:Canon EOS 6D Mark II / Canon EF100mm F2.8 MACRO USM

温帯モンスーンを実感する

関東地方も梅雨入り。昨夜は粘ったけど、木星見えなんだ・・・・

コシアカツバメ(腰赤燕)

 【スズメ目ツバメ科】

 先月撮影したツバメの飛翔画像の中にコシアカツバメが紛れ込んでいた。
逆光で潰れたシルエットに違和感を覚えレタッチ補正してみたらツバメじゃなかったというオチ。撮ってるときに気づけよ>ヒゲボウズ。

f:id:Tpong:20190607203911j:plain

 前回の記事でも触れたが、本種の巣はユニークなヒョウタン型であるらしい。古巣を補修しながら使い続け、ヒナが巣立っても渡りの時季まで塒にするとか。泥運びが頻繁なのもなるほど納得。

f:id:Tpong:20190607185038j:plain

 巣の形状も見ないことには気が済まない。遭遇地周辺の橋梁などを探してみよう。

- 撮影データ:Canon EOS 7D / Canon EF400mm F5.6L USM

タグ「飛翔」 - 撮鳥見鳥 fotolife

コシアカツバメ(腰赤燕)の過去記事を読む

 

多摩zooへ

 はたして何年ぶりだろうか、多摩動物公園を訪ねてきた。
いやはや、起伏に富んだ歩き甲斐のある動物園で、己の加齢が息切れに拍車をかける。

 散策メインながら少しは写真も撮ってみた。野鳥撮影が途切れがちになる梅雨から真夏、埋め草代わりに多摩動物公園の面々に登場してもらおう。

まずは野生なら垂涎の鳥から。

クロツラヘラサギ(黒面篦鷺)

 【ペリカン目トキ科】環境省レッドリスト絶滅危惧IB類 (EN)

 手元にある図鑑ではコウノトリ目となっているが、どうやらペリカン目が趨勢のようだ。分類はともかく絶滅が懸念される希少種である事実は変わらない。残念ながら野生を見る機会には未だに恵まれていないのだが、多摩動物公園葛西臨海水族園ではお目にかかることが出来る。

f:id:Tpong:20190603211814j:plain

  全体像はネット上でご覧いただくとして、頭部のアップを撮ってみた。冠羽がヘビメタ系だが、顔立ちは意外に可愛らしい。こんなカットが撮れるのも動物園の楽しみじゃないかと思うのだが....

- 撮影データ:Canon EOS 7D / Canon EF70-300mm F4-5.6 IS USM